2013年2月5日火曜日
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」を見ました
3D映画を初めて見たのがキャメロンの「アバター」でした。
外宇宙にある神秘の惑星を大迫力な映像で表現していて、その情報量の多さに脳みそがアツアツになりながらもスクリーンの中に入り込んだ錯覚を十二分に楽しむことが出来たのを覚えています。
「アバター」以来3D映画作品は実写、アニメを問わず続々を作られていった気がします。
3D映画の作る映像っていうのは刺激的で、目の前に飛び込んでくるような、あるいは自分がその世界に投げ込まれたような感覚になりますよね。
これは楽しいんですけど、なにかにつけて"3D"と銘打たれた作品は必ずしも3D表現が有効的でない場合があって、そんな時飛び出してくる映像を見ながら頭の片隅でいつもこう思うんです。
「これって3Dでやる必要あるのかなぁ」
すべてがそうではありませんが、ただ3D表現を飛び道具的に使ってその良さを使い捨ててしまっているというか、そんながっかりした気持ちになると気があるんですよね。
目は疲れるし、料金高いし・・・。
だったらいつものやつを見るよ。え、3Dしかやってないの?ええー・・・。
とまぁこんな3D映画への愚痴はさておき、この映画は3Dで見て大正解な作品でした。
特に凄いと思ったのが「水」表現。
主人公パイのおじさん(逆三角形のマッチョマン)がフランス(うろ覚え)のプールで泳ぐ時にカメラはプールの底からおじさんを写しているんですけど、まるでおじさんが空を泳いでるような映像になっていたんです。
パイの漂流生活ではさらに映像美が堪能できます。
凪状態の海に佇むパイとトラ。満天の星空が海に映し出され、これが宇宙の中にいるように見えるのはなんとも言えない感動がありました。
発光するクラゲ(?)、の明かりに淡く照らされた夜の海も綺麗でしたねぇ。
大荒れの海も大迫力で、雷が海を貫くシーンがお気に入りです。
ファンタジーよりになり過ぎず、またリアルに迫り過ぎずもせず、「もしかしたらこういうことが起こるかもしれない」というワクワクをずっと持っていられる、そんな素敵な映像でした。
ストーリーもなかなか一筋縄ではいかないもので、見終わった後はずっと考えていました。
これはおそらく人間と動物を分かつ"本能"と"理性"を"リチャード"と"パイ"、その他動物で喩えたものなのではないかと思います。宗教説話に近いんじゃないでしょうか。
パイが「嘘」として語ったものが実は「真実」
彼の父親曰く、宗教とは最後に理性で選ばなければならないということ
パイは人間的な理性でリチャードは彼が頭の中で飼う動物的な本能を表している
極限状態だからこそ本当に大切なことや信じるべきものがわかる
このあたりのがキーフレーズになっていそうです。
3Dを駆使した圧倒的な映像美と人間とは何ぞや?に迫る宗教ライクな冒険譚が存分に味わえるいい作品だと思います!
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿